TCU 研究者一覧
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264 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ高速なコンピュータを利用すればどんな場合にでも信頼性の高い結果が得られるかというと、実はそうではありません。それは、対象となる現象が「非線型性」という性質を含んでおり、それを数値的に解析しようとするとまた別の形で新たな「非線型性」を生み出してしまうからなのです。そして「非線型性」の強い系についてはどのようにしたら信頼性の高い数値解が得られるのかについての数学的な保証もまだ完成していないのが現状です。数値実験と数理解析の両面から、この数値解の信頼積向上という問題に取り組んでいます。研究内容と目指すもの非線型偏微分方程式の解の数学的、物理的な構造の解析を行っています。特に最近では、反応拡散方程式をモデルとして、多数の解が共存するパラメータ領域において、ランダム項を強制的に付加した場合の数値実験によるアプローチに取り組んでいます。ランダムネスに誘起されて生じた遷移過程における安定なパターン間の相対的な安定度の比較と遷移における障壁の高さの評価、さらには動的な境界の持続安定性などについて解析を進めています。最近の研究テーマ外部資金● 科学研究費補助金(基盤(C):代表)2015年〜2017年,3,700千円● 科学研究費補助金(基盤(C):代表)2011年〜2013年,3,900千円● 科学研究費補助金(基盤(C):代表)2008年〜2010年,3,400千円● 科学研究費補助金(基盤(C):代表)2006年〜2007年,2,900千円● 科学研究費補助金(基盤(C):代表)2002年〜2004年,3,500千円その他,科研費(分担),住友財団研究助成等知的財産権・関連論文情報・著書● 数値解析的な問題に関するテーマキーワード畑上 到 教 授ハタウエ イタル数学教育 数学研究室所属研究室共通教育部 自然科学系基礎研究総合理工/数物系科学所属応用数学、数値解析、非線型解析、数値シミュレーション、数学モデル複数の安定解が共存する力学系の構造へのノイズの影響● I. Hataue, On Immovable Boundary between Coexisting Solutions and Synchronization in a Reaction Diffusion System, J.Phys.Soc.Japan,Vol.85, 074005(2016)他査読付き論文29編,国際会議論文23編関連論文情報● 畑上到,フーリエ解析とその応用「新訂版」(2014年,数理工学社)他2冊(分担執筆)著書縞模様パターンと螺旋パターンの共存系

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