TCU 研究者一覧
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TCU Research Directory 2018 271 相談に応じられるテーマ文学を研究することは、体系的な知識構造を築き上げることであるといえる。ロシアのミハイル・バフチンは、文体論と小説の言葉のなかでそれを証明しようとし、ハンガリーのジェルジ・ルカーチは小説の類型学試論を歴史哲学的視点から考察し、アメリカのイーハブ・ハッサンは、「根源的な無垢」から戦後のアメリカ文学の体系化を目指した。文学にとって批評の役割についてジョイスの『若い芸術家の肖像』のなかでスティーブンが展開する統合、調和、明晰の論理も批評的な精神を暗示している。研究内容と目指すもの米国ペンシルバニア大学のジェド・エスティ『Unseasonable Youth』(2012)は、モダニズム文学と植民地化、ならび成長の文学の関係を議論し、スタンフォード大学のフランコ・モレッティ『The Way of the World』(1987)では、ウィルヘルム・マイスター、ジュリアン・ソレルなどの西洋の教養小説の黄金期を辿りながら、モダニズム文学に教養小説の崩壊が起こった視点を提示している。教養小説の最盛期からモダニズム文学への社会歴史的な推移を分析する。最近の研究テーマ外部資金● 文部科学省 科学研究費助成事業  基盤研究C グループ・ライティング教育の多様性―文化史研究からカリキュラム開発へ 研究代表者 エリック・マディーン(東京都市大学)に連携研究者参画(2016-2017)知的財産権・関連論文情報・著書● アメリカ・イギリス文化、社会研究● 文学の社会的影響について● 教養としての文学教育の可能性キーワード秋山 義典 教 授アキヤマ ヨシノリ秋山研究室所属研究室共通教育部 外国語共通教育センター基礎研究人文学所属現代英米文学、批評文学、モダニズム文学、植民地小説モダニズム小説にとっての教養小説的主題を考察する● ジーン・リース『闇の中の航海』、英国帝国主義と「成長できない」主人公、社会イノベーション研究、成城大学社会イノベーション学部 第13巻第2号大隈宏教授退官記念号、2018年● 教養小説の歴史的考察とモダニズム文学の始まり、 東京都市大学共通教育部紀要第11号、2018年● モダン・ビルディングス・ロマンの兆候、アイルランドのモダニスト的世界観―ジェイムズ・ジョイス『若い芸術家の肖像』、東京都市大学共通教育部紀要第10号、2017年など学術論文25件、依頼論文9件● 『日米映像文学に見る家族』弱き男に性悪女―成瀬巳喜男『浮雲』, 南方は淡き夢 金星堂出版, 2002年  その他5件関連論文情報著書

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