TCU 研究者一覧
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TCU Research Directory 2018 279 相談に応じられるテーマ19世紀アメリカ文学を出発点として、空間と身体の関係性を「言葉」がどのように表現するのかを研究している。文学作品を、その文字が書き起こされた歴史的文脈でとらえ、現代とどのように連続/乖離しているかを読み解く作業を行っている。とりわけ注目している空間が、19世紀アメリカの学校教育とその制度、また冷戦期のアメリカン・コミックや大衆文化である。また、アメリカからの影響なしには語れない戦後日本文化についても考察を進めている。研究内容と目指すもの私たちが思索をするとき、そこに「ものがたり」を見出し世界を認識しようとすることは、人文系だけでなく、自然科学の探求でも、しばしば遭遇する体験だ。広義の「ものがたり」が、私たちの思考プロセスや社会の思潮でどう活用していけるのかを、文学研究、語学教育、幼児教育を通じて考えている。「ものがたり」が様々な仮説や新しい発見をもたらすことに注目し、「ものがたり」の機能を、社会の問題に応用するための道具やシステム作りを考案・実践している。最近の研究テーマ外部資金● 科研費 若手(B) 2014年度~2017年度「フラナリー・オコナー作品における身体と冷戦期アメリカン・コミック」 (研究代表者)● 科研費 基盤(C) 2014年度「合衆国における貧乏白人の文化的表象の歴史的変遷」(研究分担者)● 科研費 萌芽 2016年度~2018年度「グループ・ライティング教育の多様性―文化史研究からカリキュラム開発へ 」(研究分担者)知的財産権・関連論文情報・著書● 論文:「フラナリー・オコナーと冷戦期のリベラリズム―身体と教育制度をめぐって」等23件 研究発表:「多読を背景としたクリエイティブ・ノンフィクション・ワークショップ」等● アメリカ文化史や系譜学の観点からみた意匠デザインや企画コンセプトの分析● 文章を書くことに関する思想史的背景の解説や、日本社会に接続した指導方法の提案● 読書活動など文化的活動を通した空間づくり、ワークショップ企画・運営、コミュニティデザインキーワード杉本 裕代 講 師スギモト ヒロヨ杉本研究室所属研究室共通教育部 外国語共通教育センター基礎研究人文学所属文学、アメリカ文化、物語形式の活用、創作、多読応用文学研究:「ものがたり」の社会的活用関連論文情報● 共編著 山本史華『ポスト3.11を考える』(萌書房、2015年)、共著『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』(研究社、2013年)著書● 世田谷区中央図書館との「ぬいぐるみのお泊り会」協力 (2015年度~)● 世田谷区国際課 国際メッセ 「世界の子どもと言葉と仕事」(2018年)取り組み◇ニュージーランドの保育記録「ラーニング・ストーリー」に文学研究の視点をはさむことで、日本社会の保育制度への応用可能性を探っている。◇語学教育としての「多読」において、「読む」という現象をミクロにとらえ、より深い相互理解をもたらす共同体を形成し、自己表現の場をつくる。◇読書や作文教育を系譜的にとらえ、そこにある政治性を読み解き、現代社会に必要な新しい仕組みを提案する。文学研究の応用例

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