TCU 研究者一覧
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284 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ持続可能な社会構築を担うイノベーション人材の育成を目的としたESD(Education for Sustainable Development)と、PBL(Problem Based Learning)のデザインに関する実践研究。PBLは還元主義的に発展した近代科学に伴う教育の限界に対して生まれた構成主義の学び方として知られる。本研究では、SDGs等で示される現代的社会課題の解決に教育面からアプローチするための有効な学習法と位置づけ、認知は個人の頭の内部に閉じたものではなく常に社会的状況にひらかれ、個々の状況により多様であるとする状況論(活動理論,状況的学習論,状況的認知論,社会文化的アプローチ等を総称する)を基盤に、開発教育論やイノベーション教育論を踏まえた実践的な教育プログラム開発を目指している。研究内容と目指すもの従来のPBLは、資質・能力重視の教育システム強化という世界的風潮を背景に、個人の能力向上を第一義として効率の良い知識獲得や成果物重視の教育が中心だった。しかし、教育も持続可能な社会システムに転換すべき時代を迎え、社会変革(イノベーション)を促す学び合いとしてのPBLの可能性に期待が高まっている。学校、企業、地域活動で「現実問題に基づく学習」が「マルチステークホルダーによるProject」として実施されるためのデザインが最近の研究テーマである。最近の研究テーマ外部資金● 基盤研究(B)「社会実装能力涵養のためのコンテスト教育有効性の分析解明とその効果向上研究」(2017-19)● 基盤研究(C)「技術の社会実装教育・研究において学生の創造性や主体性を伸ばす安全実践教育の提案」(2015-17)● 基盤研究(C)「認知主義・状況主義学習理論からアプローチするKOSEN型実技教育(PBL)の再評価と標準化」(2011-13)● 基盤研究(C)「ESD推進に向けた地域の拠点の活用とESDの学力向上への効果の評価」 (2009-11)● 奨励研究「科学技術史からテーマを設定した工学的アプローチによる『エコサイエンス実験』の開発」(2006)● 奨励研究「『安心・安全』型社会を創出する能力を育成するための工学系実験教育プログラムの開発」(2005)● 奨励研究「環境倫理に軸足をおいた技術者教育プログラムの開発」(2002)知的財産権・関連論文情報・著書● SDGsやPBLの研修に関すること● 主体性や創造性を育む安全教育に関すること● 国民幸福度世界一でグリーンイノベーションの国、デンマークのPBLに関することキーワード伊藤 通子 准教授イトウ ミチコ教育開発室所属研究室教育開発機構基礎研究複合領域所属PBL(Problem-Based Learning)、技術者教育、安全教育、持続可能な開発のための教育(ESD)、SDGs持続可能な社会を志向するPBLデザインの研究● 「高専教育とアクティブラーニング」,伊藤通子他,日本高専学会誌,第21巻 第4号,29-34(2016)● 「イノベーション人材育成のための社会連携型教育における高次の学習法」,伊藤通子他,工学教育,日本工学教育協会, vol.63, no.1,p74-80(2015)● 「デンマークAalborg PBL Modelの特徴と高専教育との比較」,伊藤通子他,日本高専学会誌 (Journa of JACT),18(4),9-14(2013)● 「行動主義,認知主義,状況主義の学習理論に基づく新しい実技教育の可能性」,伊藤通子,工学教育,日本工学教育協会,59-1,p62-68(2011)● 「企業の若手技術者を対象とした“社会人基礎力”を育成する研修プログラムの開発」,伊藤通子他,工学教育vol.25,no.5,p99-105 (2009)関連論文情報● 伊藤通子他 訳、北大路書房、L.トープ&S.セージ著 PBL学びの可能性をひらく授業づくり、2017、180著書

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