TCU　研究者一覧

39/288

TCU Research Directory 2018 37 外部資金相談に応じられるテーマ砥粒加工学と歯科理工学の複合領域の研究に取り組んでおり、近年は、歯科補綴装置用材料(歯科用硬質レジン、純チタン、Ti-Ag合金、PEEK樹脂)の研磨加工および歯科技工用軸付き砥石の開発、純チタン表面に成膜したDLCの掻爬、噴射加工による歯科用インプラントアバットメント表面のプロフェッショナルプラークコントロール法の開発について研究を行っている。これらの研究成果が、砥粒加工学および歯科医学の発展に貢献し、治療技術の向上に寄与できることを目指している。研究内容と目指すもの歯科用インプラントにおいて、インプラント周囲炎発症が大きな問題となっている。インプラントは、感染に対する生物学的バリアーが、天然歯と比較して、相対的に弱い。そこで、生物ー非生物界面シールド強化を目的として、チタンインプラントの表面にDLC膜を成膜し、細菌付着抑制と除去の容易化を目的とし、口腔内で長期的に安定なインプラントを提案した。上の図は、未処理の純チタンをスケ－ラ－で1000回掻爬した面、下の図は、DLCを成膜(膜厚0.6µm)した純チタンをスケ－ラ－で1000回掻爬した面を示す。未処理の掻爬面は、スケ－ラ－の切れ刃により純チタンが切削され、切りくずが掻爬面付近に付着している。DLCの試験片は、掻爬をしても、掻爬痕が見られず、スケーリングに対する耐損耗性が大きく向上した。最近の研究テーマ● 基盤研究(C)、「生体に安全な歯科用純チタンの乾式研磨を可能にする研磨液含浸型軸付き砥石の開発」(201504-201803)● 基盤研究(B)、「デュアルファブリケーションによる生物－非生物界面バリヤー強化インプラントの創生」、(201404-201803)● 基盤研究(C)、「生体に安全な歯科用純チタンの研磨に適した軸付き砥石の開発」(201204-201503)● 基盤研究(C)、「歯科用レジンボンドダイヤモンド軸付き砥石の開発」(200704-200803)知的財産権・関連論文情報・著書● 特開2017-209303号「インプラント」● 特開2016-106747号「清掃洗浄方法および噴射洗浄装置」● 特開平7-51514号「濾過装置」● 固定砥粒加工、遊離砥粒加工、軸付き砥石の開発、純チタンの研磨加工、研削加工液のろ過装置● 歯科用切削機械の開発、歯科用切削工具の開発、歯科補綴装置用材料の研磨● 歯科用インプラントアバットメントの清掃方法の開発、アバットメント表面にDLCを成膜したインプラントの開発 キーワード佐藤 秀明 准教授サトウ　ヒデアキ表面加工研究室所属研究室工学部 機械工学科製造技術製造技術所属砥粒加工学、歯科理工学、研磨加工、噴射加工、軸付き砥石、純チタン、DLC、インプラント周囲炎、インプラントアバットメント、掻爬純チタン表面に成膜したDLCの掻爬の研究知的財産権関連論文情報● 佐藤秀明ほか、株式会社情報機構、濾過プロセスの最適選定と効率改善、2010、pp.476-484● 佐藤秀明ほか、株式会社情報機構、濾過技術の基礎と濾過プロセスの設計、2003、pp.65-79著書● 岩井、佐藤、歯科用複合レジンの乾式研磨、砥粒加工学会誌、査読有、Vol.62、No.6、2018、pp.318-323 http://www.jsat.or.jp/● 佐藤、円筒型の純チタン表面に対する掻爬、砥粒加工学会誌、査読有、Vol.61、No.8、2017、pp.450-451 http://www.jsat.or.jp/● 佐藤、笠原、歯科用Ti-Ag合金の精密研磨、砥粒加工学会誌、査読有、Vol.60、No.9、2016、pp.503-508 http://www.jsat.or.jp/