TCU 研究者一覧
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66 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ核エネルギーはエネルギー安全保障の観点から今後も重要なエネルギー源の一つです。一方、福島第一原子力発電所(1F)事故や、一部地域での軽水炉新規建設の遅延から得られた教訓・反省を踏まえて、より安全で単純な原子炉が求められています。さらに、1F廃止措置も原子力・放射線工学を含む広範な技術を発展させうる重要かつ喫緊の課題です。この認識に基づいて、当研究室では革新的な核エネルギーの利用方法の追求と、1F廃止措置への貢献を主軸として研究活動を推進しています。研究内容と目指すもの現在の原子炉は、核燃料の核分裂反応によって発生した熱で高温・高圧の蒸気をつくり、タービンを回転させることで発電します。これに対して、現在研究中の核分裂電池炉は、核分裂片のもつ電荷に着目して直接発電します。タービン・発電機が不要となるため、プラントシステムが簡素化される可能性があります。また、現在の原子炉よりも低い温度で運転できる可能性があるため、安全性の向上にもつながるのではないかと期待しています。最近の研究テーマ外部資金知的財産権・関連論文情報・著書● Tuya, Takezawa, Obara, “Improved Approach to Multiregion Supercritical Transient Analysis Based on the Integral Kinetic Model and Monte Carlo Method”, NSE, 査読あり, 188(1), 2017, 33-42, https://doi.org/10.1080/00295639.2017.1337383● Takezawa, Obara, “Passive measure for preventing recriticality of fuel debris dust for defueling at Fukushima Daiichi nuclear power station”, JNST, 査読あり, 53(12), 2016, 1960-1967, https://doi.org/10.1080/00223131.2016.1175389● 福島第一原子力発電所燃料デブリ取出しに関わる臨界安全・臨界事故解析● 中性子輸送モンテカルロシミュレーション手法開発● 核エネルギー直接変換技術の開発キーワード竹澤 宏樹 講 師タケザワ ヒロキ原子力システム研究室所属研究室工学部 原子力安全工学科環境・エネルギーエネルギー所属原子炉物理、核エネルギー直接変換、核エネルギー直接発電、革新的小型炉、核変換核エネルギーから電気へ直接変換する原子炉の設計関連論文情報● 竹澤 宏樹、核エネルギーから電気への直接変換に関する基礎研究、日本原子力学会、(2018)● 竹澤 宏樹、高木 直行、軽水炉を用いた中性子核変換による有用元素生成技術の検討、日本原子力学会、(2017)学会発表直接変換電気核分裂電池の概念図核分裂片平均電荷:約+20e C平均エネルギー:80 MeV核分裂電池炉の炉心概念図核エネルギー真空負極正極燃料コーティングFP++V(FP蓄積)電場=FP:核分裂片電流電気インフラ社会熱エネルギー現在の原子炉電気

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