TCU 研究者一覧
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TCU Research Directory 2018 75 相談に応じられるテーマ電力の発生や輸送の過程で不可欠な大電流技術、特に、電力の安定供給の鍵を握る遮断器の研究を行っています。また、これら基礎技術を基に、大電流を用いた放電プラズマの応用研究をしています。具体的には、電力系統の保護(雷、遮断器)、電気応用(照明、電気推進)、金属加工(溶接、表面処理)、並びに、廃棄物処理やリサイクルの研究を行っています。これらは、私たちの暮らしを支えるインフラの研究であり、計測と制御を切り札とし、超高速計測、画像処理、電磁熱流体シミュレーション(Fortran、C言語)、LabVIEW、MATLAB/Simulinkを駆使して進めています。研究内容と目指すもの循環型社会形成のために、3R(再資源化、発生抑制、再使用)の推進がされています。本研究では、特に再使用に焦点を当て、真空アークによる超高速表面処理により、金属表面の不純物を除去するものです(図1)。除去できる不純物は、酸化膜、窒化膜、有機物等です。得られる表面は、処理時間に応じて平滑化や粗面化も可能です。本処理を溶射前処理に応用することにより、タービンなどの耐熱や耐腐食コーティングが可能となります。最近の研究テーマ外部資金● 基盤研究(C)「超高速酸化膜除去手法の開発に向けた真空アーク陰極点の移動制御」(H30-H32)● 基盤研究(C)「演色性とランプ効率の向上を目指した水渦冷却型高輝度アークランプの開発」(H26-H28)● 基盤研究(C)「超高速分光計測を用いた酸化膜除去過程の解明」(H23-H25)● 若手研究(B)「超高速酸化膜除去手法の開発に向けた減圧アーク陰極点の挙動軌跡解析」(H20-H22)その他科研費5件、企業との共同研究多数知的財産権・関連論文情報・著書● 曽根 和貴、光安 枝里子、山本 真司、岩尾 徹、器壁安定化アルゴンアークの演色性向上に及ぼす電流と器壁半径の寄与、電気学会論文誌B、査読有、Vol.136、No.9、2016、761-767● 山本 真司、岩尾 徹、江原 由泰、真空アーク陰極点の個数と電流密度が及ぼす酸化膜の蒸発速度、電気学会論文誌B、査読有、Vol.136、No.9、2016、755-760● 超高温プラズマアークの発生と制御 ● 遮断器の信頼性向上に向けたアークの減衰過程の解明● 超高温プラズマの化学反応過程の解明 ● 真空遮断器における縦磁界が及ぼす真空アークの拡散現象の解明● 電磁熱流体シミュレーションを用いた遮断器の開発 ● ガスタングステンアーク溶接の放電物理と溶融池の解析キーワード岩尾 徹 教 授イワオ トオル大電流エネルギー研究室所属研究室工学部 電気電子工学科環境・エネルギーエネルギー所属大電流エネルギー、熱プラズマ、アーク放電、パルスアーク、レールガン、雷放電、溶接、切断、表面処理、遮断器、電力系統、プラズマによる有害物処理真空アークによる超高速表面処理● 百目鬼英雄、岩尾徹他、日新出版、新版 わかる電気回路演習、2014● 沖野晃俊他、シーエムシー出版、大気圧プラズマの技術とプロセス開発、2011● 岡野大祐他、EE Text 電気電子基礎計測、2009、11-34図1 表面処理の例関連論文情報著書

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