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共同原子力専攻 Cooperative Major in Nuclear Energy
人材の養成及び教育研究上の目的
博士前期課程
エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学に携わる技術者、研究者としての教養と倫理観を持ち、スピードの速い環境の変化にも対応できる幅広い応用力を身につけ、グローバル化する社会において貢献できる人材を育成することを目的とする。
博士後期課程
エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学分野に携わる研究者、技術者、もしくはそのリーダーとして、深い教養と高い倫理観を持ち、課題を発見し解決する能力、スピードの速い環境の変化にも対応できる柔軟性と幅広い応用力、そして論理的思考力と考えを適切に表現できる語学力を身につけ、グローバル化する社会において主体的に貢献できる人材を育成することを目的とする。
専攻のポリシー
入学者受入れの方針(アドミッションポリシー)
博士前期課程
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総合理工学研究科の掲げる「教育の理念」と「教育の目標」への共感、理工系専門学力の基礎を有し、多面的な視点からの論理的思考、未知な研究分野への強い関心とチャレンジ精神、技術者・研究者として必要な語学力と高度な倫理観を具備している。
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大学院在籍の期間に、高度な専門知識を学ぶとともに、国際的に活躍できる語学力を養うこと、さらに柔軟な社会性を発揮して社会の構造変化に迅速に対応し、新たな課題を解決する能力を高めるために、入学時点において目標達成の決意と、これを達成する粘り強さを具備している。
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先端的な知識と技術を駆使し課題解決や新領域の開拓を行う力を養う上での、未開の知見を得るための調査、実験、解析を自ら計画し実践する実行力や他者/組織とのコミュニケーション力を具備している。
博士後期課程
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原子力工学に関する先端的な知識と技術を駆使し、着実に課題を解決するとともに、新しい領域を開拓できる能力を養うことを目標としている。
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入学者は、これを達成するための論理的思考力と主体的な探究心を持つこと、さらに国際社会が抱えるエネルギー・環境分野の問題解決や、現時点で存在しない新たな工学応用領域を切り開く気概と実践力を具備している。
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優れたコミュニケーション能力と語学力に加え、原子力工学故の高い安全意識と倫理観を具備している。
教育課程の編成方針(カリキュラムポリシー)
博士前期課程
エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学に携わる技術者,研究者としての教養と倫理観を持ち,スピードの速い環境の変化にも対応できる幅広い応用力を身に付け,グローバル化する社会において貢献できる人材を養成するため、次のように教育課程を編成する。
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早稲田大学との共同教育課程として、社会要請に即応した「関連分野知識の習得」や「他分野との融合」にも必要な基礎知識を身につけるために,多彩なカリキュラムを提供して,技術面のみならず,安全面,倫理面,リスク管理のもとに,技術的にも人間的にも高い能力を有する人材を育成するための教育課程を編成する。また、コミュニケーション能力を高め,原子力技術の専門家としての自己の将来設計を高めるための教育課程を編成する。
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原子力技術者として仕事を遂行する基礎力と実践力,実社会での課題を探求する問題発見・解決能力,並びに,実社会の複合的な問題を解決する能力を修得するための教育課程を編成する。
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原子力システム,原子力安全,放射線工学,放射線応用の基礎的な分野に加えて,これらの原子力と放射線の基幹技術および耐震技術・リスク評価学に関連する高度で専門的なカリキュラムを配置する。
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特に実社会の複合的な問題を学際的な視点または社会実装の観点から明らかにし,それらを解決する能力を修得するための教育課程を編成する。
博士後期課程
エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学分野に携わる研究者,技術者,もしくはそのリーダーとして,深い教養と高い倫理観を持ち,課題を発見し解決する能力,スピードの速い環境の変化にも対応できる柔軟性と幅広い応用力,そして論理的思考力と考えを適切に表現できる語学力を身に付け,グローバル化する社会において主体的に貢献できる人材を養成するため、次のように教育課程を編成する。
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早稲田大学との共同教育課程として、社会要請に即応した「関連分野知識の習得」や「他分野との融合」にも必要な基礎知識を身につけるために,多彩なカリキュラムを提供して,技術面のみならず,安全面,倫理面,リスク管理のもとに,技術的にも人間的にも高い能力を有する人材を育成するための教育課程を編成する。また、コミュニケーション能力を高め,原子力技術の専門家としての自己の将来設計を高めるための教育課程を編成する。
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原子力技術者として仕事を遂行する基礎力と実践力,実社会での課題を探求する問題発見・解決能力,並びに,実社会の複合的な問題を解決する能力を修得するための教育課程を編成する。
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原子力システム,原子力安全,放射線工学,放射線応用の基礎的な分野に加えて,これらの原子力と放射線の基幹技術および耐震技術・リスク評価学に関連する高度で専門的なカリキュラムを配置する。
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特に実社会の複合的な問題を学術的な視点または社会実装の観点から明らかにし,それらの解決に指導的な力を発揮する能力を修得するための教育課程を編成する。
学位授与に関する方針(ディプロマポリシー)
博士前期課程
所定の年限在学し、以下の知識と能力とともに所定の単位数を修得し、必要な研究指導を受けた上で修士論文の審査及び最終試験に合格した者に、修士(工学)又は修士(理学)の学位を与える。
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エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学分野に携わる研究者、技術者、もしくはそのリーダーとして、深い教養と高い倫理観を持ち、スピードの速い環境の変化にも対応できる柔軟性と幅広い応用力を身につけ、グローバル化する社会において主体的に貢献できる。
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原子力および放射線にかかわる専門分野の高度な知識と技術を習得し,実際的な応用を考慮した深い専門技術を身につけている。
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原子力および放射線の分野において,修得した高度な専門知識と研究能力を用いて問題点や課題を明らかにするとともに,これらの具体的な解決方法を見い出し,それを自らの力で計画的に解決できる能力を有している。
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原子力および放射線の分野における専門分野の高度な知識と、修士(工学)の学位の授与を受ける者は,実社会に応用するための技術を,また,修士(理学)の学位の授与を受ける者は,学際的な理論展開力を身につけている。
博士後期課程
所定の年限在学し、以下の知識と能力とともに所定の単位数を修得し、必要な研究指導を受けた上で博士論文の審査及び最終試験に合格した者に、博士(工学)又は博士(理学)の学位を与える。
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エネルギー安全保障や環境問題に大きな関わりを持つ原子力工学分野に携わる研究者、技術者、もしくはそのリーダーとして、深い教養と高い倫理観を持ち、スピードの速い環境の変化にも対応できる柔軟性と幅広い応用力を身につけ、グローバル化する社会において主体的に貢献できる。
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原子力および放射線にかかわる専門分野の高度な知識と技術を習得し,実際的な応用を考慮した深い専門技術を身につけている。
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原子力および放射線の分野において,修得した高度な専門知識と研究能力を用いて問題点や課題を明らかにするとともに,これらの具体的な解決方法を見い出し,それを自らの力で計画的に解決できる能力を有している。
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原子力および放射線の分野における専門分野の高度な知識と、博士(工学)の学位の授与を受ける者は,実社会に応用するための技術を,また,博士(理学)の学位の授与を受ける者は,学際的な理論展開力を身につけ,新たな問題点や課題を明らかにするとともに,これらの具体的な解決方法を見い出し,それを自らの力で計画的に解決できるだけでなく,指導的な力を発揮できる能力を有している。
指導教員別研究内容
【共同原子力専攻 共同原子力領域】
大鳥 靖樹
地震が頻発する日本において、地震やその随伴事象である津波や斜面崩壊等から原子力発電所を守ることは非常に重要である。地震等の自然外部事象に対する安全性を向上させるために、機器・配管系、建屋、土木構造物等の原子力施設の地震による揺れの評価法や、免震、制震等の地震の揺れを低減する方法の研究を行っている。また、地震やその随伴事象(津波や斜面崩壊等)による原子力施設のリスクの評価法の開発や、次世代の設計法の構築を、国内外の研究者と連携して進めている。
河原林 順
放射線は、可視光等では見ることのできない領域やミクロな世界の情報を、マクロな世界へ取り出すプローブとして利用されている。特に放射線イメージングシステムの開発を通じて、原子力から医療分野等の広範囲な分野における、機能性や安全性の向上を目指したシステムの開発研究活動を実施している。また、検出器そのものの開発や設計、その処理システムや情報抽出方法の開発と共に、放射線の発生源である加速器の開発も実施している。
佐藤 勇
福島第一原子力発電所の原子炉廃止措置はもとより、これから先の世代で老朽化した原子炉から順に廃止措置の段階と入っていくことは必至である。前者における廃止措置においては、炉内溶融物すなわち燃料デブリの処理・処分に係る様々な技術開発が必要であるため、核燃料・材料及び核分裂生成物の物理化学的性質を実験的な手法及び計算科学的な手法を用いて探求する。また後者においては原子炉の廃止措置が技術的な要因のみならず、地域社会との合意形成が重要な因子となっていることを鑑みて、欧米にあるような手法を取り入れた合意形成システムに関する研究を遂行する。
鈴木 徹
原子力発電システムの内部に見られる様々な「流れ」の中から安全性を考える上で重要なものを取り上げ、安全設計の考え方、安全性の評価手法、安全性の向上に有効な革新的技術について、伝熱工学と流体力学の知識をベースに学術面と実用面の双方から追及する。通常の発電システムに見られる熱や物質の「流れ」だけでなく、福島原発事故のような燃料破損や構造溶融に伴って形成される複雑な「流れ」に関しても、基礎実験による現象の把握から数値計算による詳細な分析に至るまで、国内外の研究機関と協力しつつ最先端の研究を展開している。
高木 直行
原子炉物理や核反応工学の知識をベースとして、持続可能な社会を支える革新的な原子炉概念や核変換技術に関する研究を行っている。異常事象を自律的に収束させる固有安全炉、核拡散上懸念される濃縮や再処理の工程を不要とする進行波炉(CANDLE炉)、ウランより豊富なトリウム資源を活用するトリウム増殖炉等の革新的原子炉の設計研究に加え、原子炉が生み出した長寿命放射性廃棄物を短寿命化する核変換技術や、豊富に存在する元素から希少で高価な元素を生成する原子炉錬金術など、核反応を応用した様々なテーマを対象に企業や研究機関と協力して研究に取り組んでいる。
中村 いずみ
日本は世界でも有数の地震国であり、原子力発電施設の耐震安全性確保は重要な課題である。既存施設は想定された地震動に対し十分な耐震性を持つよう設計されているが、設計の想定を超えた場合の挙動や、高経年化が耐震性に与える影響など検討すべき点も多い。そこで、原子力発電施設の機器・配管系を主な対象とし、実験による実現象の把握を中心に、地震荷重下の終局挙動の調査、高経年配管系の耐震性評価に関する研究を実施している。また、研究成果に基づき、他機関の研究者と協力し配管系の新たな耐震設計手法の構築を進めている。
西山 潤
原子力は主に中性子による原子核の変換や核反応によって放出されるエネルギーを利用する。この中性子のふるまい(中性子輸送)と物質との反応(核変換と核データ)を基礎とした数値シミュレーションによって、持続性、安全性、経済性、核不拡散抵抗性の特性を兼ね備えた革新的原子炉システムの概念設計、東京電力福島第一原子力発電所廃止措置における燃料デブリ取出し作業の臨界安全評価の高度化、宇宙探査における原子力エネルギー利用として宇宙原子炉や原子力電池の研究開発などを行っている。
羽倉 尚人
加速器に軸足を置き、加速器から引き出されるビームによって、あらゆる分野と結び付き、様々な課題を解決していく。本学原研の1.7MVペレトロン・タンデム加速器(都市大タンデム)から引き出されるプロトンビームを用いた微量元素分析法(PIXE法)による環境試料の分析や、デバイスへの照射試験ビームラインを構築している。また、加速器中性子源システムを用いた医療・産業分野への応用について構想する。
松浦 治明
主要な1次エネルギー資源を豊富に持たない我が国においては、使用済み燃料のリサイクルを積極的に進める必要がある。さらに、福島第一原子力発電所のような事故炉の廃炉は新規の化学処理技術の開発が求められている。燃料デブリの乾式処理、超ウラン元素のリサイクル利用、高レベル放射性廃棄物低減化のための新規ガラス組成の探索等に、X線を活用した構造解析手法を通じてプロセスの最適化を目指した研究を展開している。それらは、本学原子力研究所所有の設備のみならず、国内外の研究施設を積極的に活用し共同研究として実施している。
牟田 仁
我が国を含む東アジアは世界有数の地震地帯であり、不確かさの大きい自然現象である地震により生じる地震動、津波等に対する安全性確保が最重要課題である。複合災害をも対象とした原子力施設をシステムとしてとらえ、時系列や状態変化、事象間の相関性を考慮した確率論的リスク評価の開発に関する研究、並びにシビアアクシデントに対する安全対策とセキュリティ対策を統合的にとらえた防災対策、リスクコミュニケーションを含めた危機管理に関する研究を行い、原子力エネルギーの社会への定着を図る。
