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総合理工学研究科 教育目標
東京都市大学大学院学則第3条より――――
日々進歩する科学技術と変化の激しい社会情勢を念頭に、高度で幅広い理工学に関する理論と実践力を修得させて、学際的視野を持って応用力の涵養を図るとともに高い倫理観と国際性をそなえさせることによって、科学技術に立脚した課題の発見と多角的視野から解決策を導くことで社会貢献ができる人材の養成を目的とする。
教育の理念
地球温暖化に象徴される環境問題の深刻化、モノと情報のボーダレス化、人口集中と過疎化、さらにエネルギーやレアメタルに代表される資源の偏在と枯渇化など、私たちが地球規模で捉え解決すべき問題は、複合化、多様化しています。これら地球規模の問題解決のため、2015年9月国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」として2030年を達成期限とする17のゴールが具体的に示されました。SDGs達成のための教育・研究への期待は大学、とりわけ大学院において高まっています。それゆえ、総合理工学研究科は「技術者・研究者として社会の要請に応える」を理念として人材育成に当たっています。社会が抱えている諸課題は、単一の専門分野からの取り組みだけでは解決は望めない場合が多く、知識を総合化し広い視野を持った技術者・研究者の育成が求められています。さらに、他分野の専門家と協力して領域を越えた連携により、成果を出すためのコミュニケーション能力やマネージメント能力が、一層強く求められるようになっています。
このような社会からの要請に応えるために、総合理工学研究科では専門知識と技術の着実な習得に加えて、他研究機開との連携大学院制度などを活用しながら、各自の研究課題が社会の中でもつ意義、或いは社会への影響力を判断できる能力を養えるよう配慮しています。また,社会人を対象としたプログラムも用意して,これまで以上に社会とのつながりを強く意識した教育研究を行っています。このようなプログラムにより、専門領域の知識・技術を身につけるだけではなく、科学技術と社会との結びつきから課題の解決をする技を身につけられるものと確信しています。
教育の目標
大学院総合理工学研究科では、社会から求められている国際的に活躍できる技術者・研究者を育てるための教育に取り組み、次のような能力を養うことを教育の目標としています。すなわち、①理工学におけるリテラシーである情報技術と語学を含めたコミュニケーション能力、②プレゼンテーション能力、③専門知識に裏付けされた課題を解決できる能力、を身に付けた技術者ならびに研究者の養成です。モノ作りに関わる教育プログラムを重視し、進歩のスピードを一段と速めている高度技術社会へ対応するための能力育成を重視しています。新しい知識や広範な情報とその利用技術の重要性が、日常生活のあらゆる面で増す一方です。そこで、情報を多面的に活用する医療や経営の分野、さらに環境やエネルギー、ナノテク、バイオなどの新規分野を取り込み、その充実も図っています。モノから知識へと転換しつつある世の中といはいえ、モノの価値やモノ作りの重要さが低下しているわけではありません。むしろ、環境に配慮し、持続的な発展を可能とする付加価値を付けたモノを世に送り出すために、理工学の知識と技術の価値は従来にも増して高まっています。
育成すべき人材
博士前期課程
自然科学や語学などの基礎となる科目、科学技術の基盤となる科目及び科学技術と社会の接点を理解するために必要な教養科目の習得が求められます。その上で、専門知識と技術が着実に身につけられるような教育プログラムが用意されています。そして、大学院生には専門知識を深化させるだけではなく、総合化することを求めています。各専攻では、博士前期課程において専門知識を生かし、国際的に活躍できる語学力を養い、社会構造の変化に迅速に対応できる幅広い応用力と実践力を身に付け、課題を解決できる能力を有する技術者・研究者を「育成すべき人材」として目標としています。
博士後期課程
専門知識と技術をー層深化させると同時に、他大学や研究機関あるいは企業との共同研究などを通して、コミュニケーション能力やマネージメント能力を涵養しながら高度な研究能力が身に付けられる環境を整えています。各専攻では、博士後期課程修了後には、国内外の大学や研究機関、さらに企業の研究部門において、先端的な知識と技術を駆使し、着実に課題を解決するとともに、新しい領域を開拓できる能力を備えた技術者・研究者として活躍できる人材となることを目標とした指導を行い、さらに、高度な自律性を備えるように支援をしています。
今後への期待
学部における教育課程では、専門理工学基礎を身につけ、卒業研究ではそれを活用する経験を積んできたと思います。入学された大学院では、それらの知識と経験を活用して、さらに工夫を加えて「知恵」を磨くことが肝要です。このことを心がけて、上記目標に沿う人材として研鑽を重ね、人間として、技術者・研究者として成長することを期待しています。