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トピックス詳細(在学生・保証人の方へ)
「2022年度学位授与式」 学長・理事長・ご来賓からのメッセージを以下にお届けいたします。
学長式辞
皆様、おはようございます。本日、校友会会長の松村様、後援会会長の増田様、そして皆さんの先輩である、株式会社絆ジャパン代表取締役の増田様をはじめ、多くの皆様にご出席いただき、この学位授与式を持てること、東京都市大学学長として、大変な喜びであります。この3年間、コロナ禍のために、このような皆さんに集まっていただいての学位授与式を持つことができませんでした。コロナはまだまだ終息したとは言えませんが、ワクチンの接種が進んだこともあり、ぜひ、今年はこのような、対面での学位授与式を実施したいと考えました。しかし、例年に比べると、若干、小規模、かつ簡略化しました。
さて、本日の学位授与ですが、博士につきましては、大学院博士後期課程工学研究科で2名、総合理工学研究科で13名が博士(工学)の、環境情報学研究科で4名が博士(環境情報学)の、計19名が学位を取得しています。
修士につきましては、総合理工学研究科で282名、環境情報学研究科で40名の計322名が修了し、学位を取得しています。
学士につきましては工学部732名、知識工学部238名、環境学部160名、メディア情報学部207名、都市生活学部163名、人間科学部106名、計1606名の学生が卒業いたします。
改めまして、皆さんおめでとうございます。ご両親をはじめとするご家族の皆様には、さぞかしご安心のことと推察いたします。心からお喜び申し上げます。卒業生の皆さんは、今日があるのはご両親やご家族の皆様のおかげであることを、しっかりと胸に刻みつけてください。
さて、コロナ禍は3年を超えました。クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号で、発症者が見つかったのが2020年2月1日ですが、その時にはこれほどのことになるとは予想もしませんでした。ちなみに、2020年3月19日の全国の感染者数は約40名です。昨日の感染者数は全国で3000人レベルで、ピーク時の26万人からは、収束してきたように感じますが、まだまだ安心できる状況にはありません。
大学にとっても、学生の皆さんにとっても、大変な3年間でした。皆さんは大学生活4年間のうちの3年間をコロナ環境で過ごしてしまったことになります。大学としては、皆さんの学びに対して、できるだけマイナスになることを避けるように、オンライン授業、ハイブリッド授業など、いろいろな工夫をしてきました。しかし、それで十分だったとは思っていません。課外活動については厳しい制限を付けざるを得ない状況でした。
大学の活動の中には対面でしかできないことがいろいろとあります。特に、教員と学生の間、学生同士などの人と人とのつながりについては、なかなかオンラインでは難しいところがあります。多くの学生からは、友人が作れなかったという訴えが来ています。これも大きな問題と認識しています。これらの課題について、卒業、修了後について、大学としてどのようにするのか、どのような方法がとれるのかについて、継続的に考えさせていただきます。
さて、今日皆さんは学位を授与されました。多くの方は学生から社会人になります。今までとはまったく異なる生活が始まります。大学院に進学する皆さんについても、今までとは異なる世界に入ります。大学院生は研究者の仲間入りです。ここで、皆さんに提案があります。それは、この時、この転機に、自分が何をやりたいのか、何を実現させたいのか、何ができるのかを、考えてくださいということです。自分の夢をはっきりと描くとも言えます。
夢は、希望に変わり、そして現実になっていきます。今までも、いろいろなときに自分の夢を描いてきたと思いますが、いよいよそれを実現するときが来たとも言えます。夢がなければ前に進みません。そこでは失敗を恐れないことです。
アインシュタインは「Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.」と言っています。「失敗を経験した事がない者は、何も新しい事に挑戦したことが無いということだ」という意味です。失敗を恐れずにチャレンジすることです。言い換えれば、「何も失敗していないということは、何もやっていないということ」です。失敗したら、なぜ失敗したかを考えることで、そこから次のステップが見えてきます。
最近は、なんでもインターネットで調べてしまいます。最近のアマゾンやグーグルのソフトでは、課題を入れると、合格点をとれるような答えが返ってくるそうです。あっという間に、簡単に、知識、情報が集まります。その結果、判ったような気持になってしまう、その結果、自分でトライしない、チャレンジしない、これこそ、最悪です。恐ろしいことです。それでは何もわかりません。
もっと心配していることは、そのようなインターネットからは、誰にでも同じ答えが提供されます。みんなが同じ答えを持つと、それが正しいことになり、常識になります。はたして、インターネットからの情報、AIから出てくる答えは正しいのでしょうか。ひょっとしたら、重要なこと、大きなチャンスを逃してしまっているかもしれません。是非、自分でトライすること、チャレンジすることを忘れないでください。
私は、現場主義を通してきました。何事も、自分で現場に聞き、自分の目で見て、触れてみる、試してみる、ことを行動規範としています。自分でやってみることから、いろいろなことがわかってきます。その時に、私は、last one secondのパフォーマンスが重要と思っています。最悪は、自分の力ではこれくらいかな、こんなもんでよいかな、と考えて、努力を終わりにすることです。「もう一息頑張ってみよう、もう少しどうにかなるのでは」、これは私がいつも自分に言い聞かせていることでもあります。そうすれば、もし結果が思わしくなくても、満足感は得られます。自分を信じて、最後の1歩、最後の1秒までチャレンジしよう、です。
今日皆さんが受け取る、学位記のフォルダーに「一心」と書かせていただきました。禅語ですが、私の大好きな言葉です。すべてのことは心が原動力、自分の心を一つにして物事に立ち向かえば、必ずや相手を動かすことができる、といった意味です。世界が皆さんの能動的な行動を待っています。まずは思いっきり自分を燃焼させてください。そして、困ったこと、迷うことがあれば、東京都市大学を訪ねてください。大学そして教員はそれを待っています。皆さんの大いなる発展、ご活躍を祈念して本日の式辞とさせていただきます。
東京都市大学
学長 三木千壽
理事長挨拶
本日、ここに、博士・修士および学士の学位を取得された皆さん、誠におめでとうございます。皆さんのこれまでの努力と学問への専心に敬意を表し、教職員一同とともに、心からお祝い申し上げます。
そして、今日のこの日を待ちわびておられたご家族の皆様にも、お祝い申し上げますとともに、東京都市大学に対するこれまでのご理解・ご支援に対し、深く感謝いたします。
また、三木学長はじめ、親身になって教育・研究の指導に当たられた大学関係者の方々、さらに学園生活をバックアップしてくださった後援会・校友会の方々にも心から敬意を表する次第です。
修了生、卒業生の皆さんが、学位授与の日を無事に迎えることができたのは、もちろん皆さん自身の弛まぬ努力の賜物でありますが、同時にご両親様をはじめ多くの方々の、長年にわたる支えによるものであります。そうした方々への感謝の気持ちをいつまでも忘れないで頂きたいと思います。
さて皆さんは、それぞれの学問領域において、広く深い専門性を身につけ、課題の探求と解決に必要な能力を修得された証として、本日ここに学位を得られました。ここに至るまでは、コロナ禍をはじめ乗り越えるべき山を越えるため、大変な努力をされたことと思います。その努力に心から敬意を表します。しかし、考えてみて下さい。今手にしたものは過去の努力と一定の知識・能力の証明でしかないということを。真に大切なのは、ここで証明されたものを土台に、これからを如何に過ごすか?です。
これからの皆さんの前にあるのは、正解のある課題ばかりではないでしょう。新人であっても自ら答えを出し解決していかなければならない課題に立ち向かうことを求められる時代となっています。いきなり実践の場で、「問題や課題を見つけ、意味を創出しろ」と言われても難しいと思いますが、都市大で身につけた知識や思考のフレームを駆使して失敗を恐れず果敢に挑戦してください。その自ら解決に向け努力する姿勢が、結果として成果をもたらし、周囲の評価と信頼につながるのです。
年をとるにつれ今ある枠組に囚われ、失敗する可能性があることには簡単に行動を起こせなくなります。若い皆さんだからこそ、試行錯誤を繰り返し、リスクを背負って行動することができるし、仮に失敗しても取り返す時間があります。若いうちに、変化を求め行動を起こす習性を、是非身につけてください。過去の成功者たちの多くは、そうした人たちです。失敗に怯むことなく、意識して楽観的思考をし、挑戦を続けた人たちなのです。
ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏は、著書『一勝九敗』(新潮社)の中で、「10回新しいことを始めれば9回は失敗する。しかし、1の成功の積み重ねが今日のユニクロをつくっている」という趣旨のことを述べていますし、スポーツの世界でも、マイケル・ジョーダンが「これまで何度も失敗してきたが、それが私が成功した理由だ」と話しています。発明王エジソンは、「それは失敗じゃなくて、その方法ではうまくいかないことがわかったんだから成功だ」と言っています。皆、失敗に学び、挑戦し続けることを説いています。
最後に、本法人五島育英会の創設者である五島慶太翁からのメッセージを贈ります。俗に「なあにの精神」とも称されていますが、どんな困難にぶつかっても、「なあに、これくらいの事」と考え、常に信念をもって行動することの大切さを説いています。
皆さんも、これからの人生において、幾多の困難や逆境に直面することがあるでしょう。その時に、是非、「なあにの精神」で立ち向かい、はねのけ、自分の信じた道を突き進んでいただきたいと思います。
これからの新しい時代は、若い皆さんが中心であり、皆さんが牽引していく時代です。健康に留意され、広い世界で存分に活躍されることを期待しています。皆さんの歩まれる人生が、実り多いものであることを心から祈念いたしまして、お祝いの挨拶といたします。
本日は誠におめでとうございます。
学校法人五島育英会
理事長 泉 康幸
校友会会長祝辞
本日、ここに学位を取得された皆さん、誠におめでとうございます。
そして、この日まで支えてきていただいたご両親、ご家族の方々にも心よりお祝いを申しあげます。ここにいらっしゃる卒業生の皆さんは、東京都市大学の「校友」となり、その同窓会である校友会の会員となりました。心より歓迎いたします。
同窓会である「東京都市大学校友会」は、東京都市大学の前身である武蔵高等工科学校が1929年に発足して、これまで10万2000余名の卒業生を擁しています。そして全国各地、世界各地域で活躍している卒業生により運営されています。北は北海道から南は沖縄まで全国45の地方支部、米国支部をはじめ東南アジアなどの海外支部、そして官公庁、民間会社で勤務されている方々の組織として27の企業職場支部で構成されています。それぞれの支部で、地域で様々な活動をしています。皆さんも勤務される会社、地域で諸先輩方と合流されることを望みます。これら10万の先輩諸氏卒業生からのエールを皆さんにお届けしたいと思います。
今日、皆さんには社会人となるにあたって、2つのことをお願いしたいと思います。
その1つは、ダイバーシティすなわち多様性への対応です。そしてリスキリングすなわち学び直しです。社会情勢の変化とテクノロジーの進展がはやい今の社会において「社会人になる」とは、「学び終えること」ではなく「働きながら、学び続け、変わり続けること」を意味する言葉になっています。まさにこれから求められるものは、「多様性(ダイバーシティ)への対応」そして「リスキリング(学び直し)」です。社会人として、個々に必要とするスキル、求められるスキルを探求、獲得し続けることが求められています。そしてその結果が、さらなる「創造力」「発想力」にもなり、「教養」にもなるものと思います。東京都市大学で培った様々な技術、教養を基盤として、さらなる「スキル」の高みを目指していただきたいと思います。そしてそこに、社会貢献と共に、個々の心の豊かさ、生活の豊かさ、人生の豊かさを導くことができると思います。
東京都市大学校友会も大学とともに、多様な職種、スキルを持つ卒業生諸先輩の協力をえて、「生涯キャリアサポートプログラム」を立ち上げました。仕事の上で「学びの必要」に気づかれたときには、いつでもその支援ができる場の提供を、さらには一般教養、趣味、社会活動などを含めて生涯スキルを磨き続けるきっかけを提供したいと考えています。そしてそこに新たな校友の輪が広がるものと信じています。大いに校友会を利用してください。校友会は生涯にわたって卒業生を支援します。
そして2つ目は「出会いを大事にしてください」です。残念ながらコロナ禍にあって在学時代の友人、クラブ仲間などの交流は多くはなかったかもしれませんが、その分、交流の密度は高くなったかもしれません。時に時代の流れは私たちにとって順風ではありません。これを乗り越えた人生、交流は得難くなることは確かです。これからも社会で、仕事で東京都市大卒業生に会う機会は少なくありません。思いがけないところで諸先輩にお会いすることがあると思います。これまで大学を通じて得た旧友は生涯あなたの友達です。校友会には多種多様の人生を歩んでいる方がいらっしゃいます。枚挙にいとまがありません。あなた方の身近に、そして東京都市大学という共通項で共有する仲間がたくさんいらっしゃいます。毎年秋に「ホームカミングデー」と称して大学に卒業生が集います。さらには、オンラインを通じて国内の、世界の卒業生の仲間と共有できます。いままで会ったことのない卒業生同士でも会話が始まれば、そこからが「先輩・後輩」です。「仲間」です。「出会いを大事にし、そして育んでください」。
社会人として、「個々に必要なスキル」、「求められるスキル」を探求する。スキルを獲得し続ける取り組みをお願いします。そして、多くの仲間を、育んでいただくことをお願いします。自らが決めて取組んだ仕事の先に、皆さんの心の豊かさ、生活の豊かさ、人生の豊かさ、そして社会の豊かさを導くことができると信じます。
これからの、人生100年時代に向けて、健康を育み、力いっぱい活躍されることを祈念しまして本日の祝辞とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
東京都市大学校友会
会長 松村慶一
来賓祝辞
本日、博士・修士および学士の学位を取得された皆さま、本大学の卒業生を代表して、心から御祝い申し上げます。またご家族の皆様にも御祝い申し上げます。
私が本大学に入学したのが1980年、昭和55年です。当時の学籍番号は805093、80は1980年、50は土木工学科、93はあいうえお順で93番でした。入学した時の成績は多分「まあまあ」、卒業した時の成績は下から「そこそこ」でした。こんな劣等生の私でも、社会に出てそれなりに飯が食えてきたことの経験について、少しお話しさせて頂きます。
さて、時代は新型コロナウイルス感染等、生活様式や学び方をはじめこれまでとは違う大変革期を迎えています。特にエネルギーに関しては、現代の産業革命真っ只中です。
産業革命とは、ご存知のように18世紀半ばから19世紀にかけて起こった、産業の変革と石炭利用によるエネルギー革命、それにともなう社会構造の変革のことですが、それと同じことが、脱炭素を契機としたEV普及、再生可能エネルギー活用で行われています。
EVは電気自動車ですが、車の業界のことだけではなく、蓄電池を積んだ動く住宅設備として捉えると、私のように33年以上住宅事業に携わった者でさえ、びっくりするような出来事が日々起こっています。
そんな激動の時代に社会人となる皆さまはツイテいます。
大変革の時代だからこそ、大チャンスなんです。
誰もが平等に社会人として大成功するチャンスを持っていることを、社会人の先輩として自信を持って断言します。
不安、そして不満の「不」の発見、その解決策を提示し、世の中のお役に立つことが成功への第一歩です。誰もが、イーロン・マスク、になりうるチャンスを持っています。
ではどうするか?
私の拙い経験から学んだことをお話しします。
簡単に私の経歴を話します。
本大学を卒業して、川田工業になんとか入社させていただきました。エンジニアとしての能力が低かったので、いきなり子会社の営業に配属されました。
入社2年目の時、母が亡くなり、退職して実家の母が経営していたパン屋をコンビニ風に改装して、生活していました。
その後、第三者にコンビニ経営を任せ、単身アメリカのアクロン大学に留学しました。
このアメリカでの生活が、私のその後の人生のターニングポイントでした。
帰国後、株式会社NACに入り、オーナー社長のナンバー2として、アメリカで見聞して気付いた、ソフトの重要性をベースにした工務店向けのセールス アップ コンサルティング事業部を社内ベンチャーで立ち上げ、株式の店頭公開、東証2部上場、東証1部上場、に貢献しました。
その過程でタマホームの創業オーナー、たまちゃんこと玉木康裕氏と出合い、タマホームの専務として、東証1部上場を再度経験しました。
その後、ヤマダ電機がエスバイエルを買収したことで、その抜本的経営改革を行なってほしいと白羽の矢が立ち、ヤマダ電機の住宅部門再建と軌道にのせることを、山田会長のナンバー2として、高崎で9年過ごしながら行なってきました。
その間にエスバイエルの1部上場廃止も経験しました。
人生で株式上場を4回経験し、また株式上場廃止も経験したわけです。
その後、還暦を期に絆ジャパンを創業し現在に至っております。
今の私の目標として、絆ジャパンも5年をめどに人生5回目の株式上場を目指しています。
今回の祝辞を機に、少しだけ自分の人生を振り返って思うのは、男子も女子もとにかく人生は挑戦だということでした。そして人との出合いで人生は大きく変わる!変わるためには自ら動くということです。私も、出来る出来ないではなく、やるためにどうすべきかを考えることを心掛けてきました。
転職も恐れずどんどんして下さい。「転がる石には苔は生えぬ」と言いますが、アメリカでは「活動的にいつも動き回っている人は能力を錆びつかせない」という意味で用いられ、それを私は実践してきました。結果、ステージを変えるたびに部下も増え、仲間も増え今があります。
私もヤマダ住建ホールディングスの代表取締役会長の時は、部下が6500人いました。社会人は、何人の部下や仲間を持っているか?でその価値が決まります。コツコツと一匹狼で社会人生活を送るのも悪くはありません、が、出来れば多くの部下や仲間と一緒に仕事をした方が、社会人としては楽しいです。
最後にご卒業を祝し、希望いっぱいの門出にエールを込めて、社会人として成功する魔法の言葉を送ります。たった2つです。これだけで良いから覚えて下さい。
「自分以外は全てお客様」
「真実は現場にあり」
私はこの言葉を信じて本大学を卒業して以来、約40年、いまだに働いて、株式上場を目指しています。
これからの長い人生では、たくさんの喜びにも困難にも直面することと思いますが、常に周囲への感謝の気持ちを忘れないでください。
皆さんの輝かしい未来に乾杯!
ありがとうございました。
株式会社絆ジャパン
代表取締役社長 増田文彦