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トピックス詳細(プレスリリース)
東京都市大学
東京都市大学(東京都世田谷区、学長:三木 千壽)工学部 電気電子通信工学科の瀬戸 謙修 講師ら研究チームは、スマートフォンなどのモバイル機器に内蔵可能な、サイズ0.2mm2の画像用ASIC(特定用途向け集積回路)を、短時間で自動設計するソフトウェアを開発しました。
これにより、性能向上を目的として、市場の頻繁に繰り返されるスマートフォンなどのモデルチェンジが一層容易になることから、モバイル機器を通じた社会の更なる発展が期待されます。
なお、本成果は、情報処理学会論文誌IPSJ Transactions on System LSI Design Methodology 11巻(2018年8月号)、12巻(2019年2月号)に掲載されました。
本研究のポイント
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書き換え表を作成し、設計工程の一部であるソースコードの書き換えを自動化した。
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記憶装置内部の素子を集約するプログラムを開発し、0.02mm2の記憶装置に従来サイズ(0.04mm2)の記憶装置と同量の情報を収められるようにした。
概要
ASICとは、特定用途のために使用されるICチップで、主にスマートフォンなどのモバイル機器に内蔵されています。近年、性能向上を目的にモバイル機器のモデルチェンジが頻繁に行われることに伴い、多種多様なASICが必要とされており、画像用についても例外ではありません。
ASICを設計する際は、一般的なソースコード(C言語プログラム)を特定のソース コード(最適化済みC言語プログラム)へ書き換える必要があり、これまでは高度な専門知識や経験をそなえた熟練技術者が行ってきました。しかし、熟練技術者であっても、ソースコードの書き換えには数日の時間を要し、市場の頻繁なモデルチェンジに対応することが困難でした。また、設計の自動化については、一部対応していましたが、モバイル機器に内蔵可能な小さいサイズのASICの設計を自動化するには、対応できるプログラムがない点に課題がありました。
このたび、瀬戸講師は、ソースコードの書き換え表を作成することで、ASICの設計工程の一部である書き換え作業を自動化し、従来の1/1000の作業時間(数秒)に短縮しました。また、記憶装置内部の素子を集約するプログラムを開発し、0.02mm2の記憶装置にも従来サイズ(0.04mm2)と同量の情報を収められるようにしたことで、モバイル機器に内蔵可能な、サイズ0.2mm2の画像用ASIC を自動設計できるようになりました。
今後は、開発したソフトウェアの検証を行い、1年以内の実用化を目指します。
<取材申し込み・お問い合わせ先>
企画・広報室(E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp)